千代田区 御茶ノ水 神田 小川町の心療内科・精神科 駿河台こころのクリニック 寝酒がよいか睡眠薬がよいか・・・

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寝酒がよいか睡眠薬がよいか・・・

駿河台こころのクリニックのブログ

寝酒がよいか睡眠薬がよいか・・・

2015年01月28日

こんばんは。
みなさんは、夜はよく眠れているでしょうか?また、眠れない時はどうしたら良いでしょうか?
眠れないからといって飲酒、いわゆる寝酒をする方がいます。そして、「睡眠薬なんて体に良くない。癖になってやめられなくなる。」という方は少なくありません。
眠れないとき、アルコールと睡眠薬、どちらが良いのでしょうか?

不眠には、寝つきが悪い(入眠困難)、途中で目が醒める(中途覚醒)、起きようと思う時間より早く目が覚める(早朝覚醒)、ぐっすり寝た気がしない(熟眠障害)などのタイプがあります。
睡眠薬は、不眠のタイプによって使い分けます。例えば、寝つきが悪いけど、寝ついた後は朝まで眠れる方には、効き目の時間(薬の半減期)が短い薬を使用します。眠気を催すような安定剤(抗不安薬、抗うつ剤など)を睡眠薬として使用する場合もあります。

そこで気になるのは副作用です。主なものとして、翌朝の眠気(持ち越し)、ふらつき、口の渇き、寝ぼけ、急に使用をやめたときの不眠(反跳性不眠)などです。副作用の出方は、人によって異なります。他の病気などで体調が悪い方、ご年配の方などは、慎重に使用する必要があります。
ある程度継続して睡眠薬を使用した場合、依存が形成される場合があります。これは、反跳性不眠や薬の効き目が悪くなり量が増えていく(耐性ができる)ことを指します。この依存性のために、睡眠薬が悪者にされています。
もし依存が形成された場合、薬を急にやめるのではなく、例えば1錠飲んでいる場合はまず半分にしてみるなど徐々に少なくしていくことで、睡眠薬をやめることが可能です。耐性ができた場合は、抗うつ剤など依存性が少ない安定剤を使用することで、睡眠薬の量が増えていくのを抑えることが可能です。

では、アルコールはどうでしょう。
アルコールは、冠婚葬祭さまざまな集まりで振る舞われ、人付き合いには欠かせない身近なものというイメージがあります。しかし、アルコールでは質の悪い睡眠しか得られず、量のコントロールが困難になっていきます。そして、アルコール依存症、肝・膵疾患、心疾患、認知症など全身の臓器障害など数多くの健康問題に発展する可能性があります。(当院HPの「アルコール依存症」の項をご覧ください)

最近、「処方薬依存」が問題となっており、睡眠薬やその他の安定剤の適正使用につとめる必要があります。適正使用するという約束のもとで、「不眠」だけが治療のターゲットであれば、アルコールではなく睡眠薬を選択すべきです。また、依存性あるいは「依存症」を心配しなければならない場合は、睡眠薬よりも依存性の少ない安定剤を用いる方が良いでしょう。

もっとも、アルコールか睡眠薬かを論じる前に、何故眠れないのかについてしっかり見直してみる必要があります。ずっと抱えている悩みが原因で不眠になっているのであれば、その問題に取り組まなければなりません。あるいは、うつ病になっているのかも知れません。アルコールや薬物といった物質的なことではなく、抱えている問題が慢性化していることが依存症の原因になっていることがあるからです。

睡眠は、こころの穏やかさを知るのに最も簡単な方法の1つです。
眠れない日が続くようであれば、是非ご相談ください。

時々寝言を言っています。 いったい、どんな夢をみているのでしょう・・・
時々寝言を言っています。
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