スリップしたらどうするか
2017年09月29日
こんにちは。
久しぶりにアルコール依存症についてお話します。
「酒って良くないなあ。やめた方がいいのでは。でも・・・」と問題飲酒に気付きはじめ(熟慮期)、いろいろな「底つき体験」を経て、あるいは何らかのきっかけがあり、断酒を決意し受診します。
当院では、断酒の意志をしっかり確認し、抗酒剤とできるだけ短い間隔での通院をすすめています。
ですが、断酒を決意しても「断酒を続ける」のはとてもたいへんなことです。
前にお示ししたデータにあるように、断酒を開始しても1年後にはおよそ8割の人は再飲酒(スリップ)してしまいます。
スリップすると、「せっかく決心したのに、自分は意志が弱い」と自己嫌悪に陥ります。中には、「先生に申し訳なくて合わせる顔がない」と思う人もいます。断酒して間もない時期だと、そのまま連続飲酒に入る人が数多くいます。
では、スリップしたらどうしたら良いのか?
「また飲みました」と主治医に報告してください。そして、また断酒を始めましょう。
スリップは、この病気の治療過程であり症状の1つなのです。
スリップした自分を責めるよりも、「それまで断酒できた」自分を褒めてあげるべきです。
私は「よく報告してくれましたね。素晴らしいです」と伝えるようにしています。
「いつからでも、何度でも」断酒に再挑戦しましょう。
☆明日はトリミングに行ってきます☆