千代田区 御茶ノ水 神田 小川町の心療内科・精神科 駿河台こころのクリニック ロック少年

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駿河台こころのクリニックのブログ

ロック少年

2015年02月13日

こんにちは。

先日のブログで、レコード(アナログ)について触れましたが、時折音楽の話題を取り上げて行こうと思います。

私が音楽を本格的に聴くようになったのは中学生の頃でした。従兄がABBAのレコードを貸してくれたのがきっかけです。その後、同級生が「ABBAなんか聴いてないで、これを聴け」とKISSのレコードを貸してくれました。ロック少年の誕生です。KISSが初来日した翌年くらいでした。その後、同窓会で20年ぶりくらいに彼に会った時、「お前に音楽を教えたのはこの俺だ」と豪語していました。まさしくその通りです。

当時CDはまだなく、レコードかカセットテープ、FM放送などを聴くという時代でした。LPレコードは1枚2500円、2枚組だと4000円、A面B面1曲ずつのシングルレコードが600円。海外アーティストの輸入盤を売っている店や、中古レコード店はほんの数軒でした。まだDVDもなく、ビデオテープ。同級生の家にあったビデオデッキが30万円くらい、VHSが良いかベータかという論争がありました。

その頃の小遣いが3000円くらい、月に1枚レコードが買えるかどうかという具合だったので、本当に1枚1枚大切に聴いたものでした。同級生とのレコードの貸し借りもよくやっていました。大きさが30センチ四方なので、通学自転車の前カゴに入らず、ハンドルにぶら下げて持ち運びしていました。借りたレコードのホコリを丁寧に掃除して、カセットに録音して返却する。そして、あのギターがどうだったなどとロック談義をする、というパターンでした。

今のようにインターネットで商品や情報何でも手に入る訳ではなく、「Music Life」という音楽雑誌が唯一の情報源でした。そして、好きなバンドのカラーページがあると、切り抜いて下敷きに入れていました。Music Lifeで勉強し、良さそうなレコードに当たりをつけて買います。月1枚までですから、失敗は許されません。

ある時、YESというイギリスのバンドの「Close To The Edge(危機)」というアルバムが素晴らしいという記事を目にしました。さっそく、デパート(ダイエー)のレコード売り場に行き、それを購入しました。ところが、家に帰ってよく見ると、LPなのに3曲しか入っていませんでした。A面1曲20分くらい、B面10分ずつ2曲です。LPレコードは、片面に約23分、両面合わせて8~10曲収録されているというのが平均的でした。それなのに、3曲しか入っていないというのは、とても損した気分でした。しかも、当時聴いていたハード・ロックではなく、プログレッシブ・ロックで、だらだらした演奏、意味不明の歌詞で、しばらく落ち込んでいました。

YES  Close To The Edge (邦題:「危機」)
YES Close To The Edge (邦題:「危機」)

余談ですが、プログレッシブ・ロックとは、1960年代にロックがいくつかの方向に分化した時にできた1つのジャンルです。ロックに、クラッシック音楽やジャズの要素を取り入れたもので、曲が長尺、複雑な曲展開、高度な演奏技術を備えたものが多くあります。中には、16分の17拍子の間に4分の3拍子が挟まれているなどどうしても乗れない曲もあります。

YESは、今もなお活動を続けているスーパーグループです。「危機」は、ボーカルのJon Andersonが書いた(おそらく)哲学的な歌詞に、最高水準のギター、ドラム、キーボード、ベースによる演奏という、彼らの最高傑作とされています。当時は大嫌いなアルバムでしたが、今となっては愛聴盤の1つとなっています。

最近よく聴いている音楽は、結局のところ昔よく聴いたものだったり、カセットしか持っていなかったものをレコードで買いなおしたりというのがほとんどです。不思議なもので、音楽を聴くと当時の映像や記憶が蘇ってきます。と、こうやって昔を懐かしく思うようになったということは、歳をとったということなんでしょう・・・もはやロック少年ならぬロックおじさん。

KISSもRolling Stonesも、還暦をとっくに過ぎても現役で頑張っています。負けてはいられません・・・

クリニックのスタッフのみなさんからいただきました。 ありがとうございました。
クリニックのスタッフのみなさんからいただきました。
ありがとうございました。