認知行動療法について(4)
2015年03月04日
こんにちは。
少し間があきましたが、前回の続きをお話します。
今回は、自動思考に関連して「認知のゆがみ」についてみてみます。
何かできごとが起きた時に、瞬間的に頭に浮かぶ思考・イメージが自動思考です。これは、その人の物事の認識の仕方、とらえ方つまり「認知」の影響を受けています。そして、もし偏った認知の仕方をしていると、些細なできごとを極端にとらえたり、悲観的に感じたりしやすくなります。
いくつかの典型的な「認知のゆがみ」を挙げてみます。
①全か無かという思考
物事をすべて「白か黒か」でとらえ、その中間はないという思考パターンです。時に失敗する程度でも、「あいつはダメな奴」というレッテルをはるようになります。
②過剰な一般化
①に似ており、一度の失敗をいつも失敗するように極端にとらえてしまうことです。
③破局的な考え方
起こった出来事を過剰に悲観的にとらえ、些細なことでも「大変なことになる」と考えてしまうことです。
④最小化
「こんなこと、誰でもできるよ」と行ったことやポジティブなことまでも悪く評価したり、低く見たりすることです。
⑤未来を予測する
「どうせうまくいくはずがない」と、これから先のことをネガティブに予想することです。
⑥ポジティブなことの否定
「部下が自分の称賛をするのは、ゴマをすっているだけだ」とポジティブなこともネガティブにとらえることです。
⑦厳格なルール
人や物事に対して、「・・・すべきだ」という厳しい見方をすることです。
⑧自己関係づけ
「自分がいるせいで職場の雰囲気が悪くなっている」など、何かのできごとと自分を関係づけてしまうことです。
知らないうちに身についてしまっているパターンなので、気がつきにくいと思います。最近うまくいかなかったできごとをしっかり思い出してみて、上記のような認知のゆがみがなかったどうか考えてみてください。