千代田区 御茶ノ水 神田 小川町の心療内科・精神科 駿河台こころのクリニック 自己評価を高めるために

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自己評価を高めるために

駿河台こころのクリニックのブログ

自己評価を高めるために

2018年01月30日

こんにちは。

今年になってはや1か月が経とうとしています。

たいへん遅くなりましたが、本年もよろしくお願いいたします。

 

さて、今日はちょっと「自己評価」という難しいテーマについてお話しします。

「落ち込みやすい」「自信を失いやすい」「イライラしやすい」

これらの症状は、うつ病や躁うつ病(双極性障害)などの気分障害でもみられるものですが、「自己評価の低さ」から起こることもあります。

例えば、会社や学校で、周囲の人と比較し「みんなはうまくやっているのに、どうして私は・・・」と落ち込んでしまう。また、頑張って成果物を提出しても上司からの評価がないと、「いくら頑張ってもダメなんだ」と自信を失ってしまう。営業成績がトップの同僚と目があった時、「見下されたような気がして」イライラした、など。

「自己評価の低さ」の原因はさまざまです。これまでの人生において、周囲から受ける必要のない批判を受けたり、否定する必要のないことで自分を責めすぎたり、褒めてもらうべきところを褒めてもらえなかったり、自画自賛しても良いことなのにポイっと捨ててしまったり・・・

では「自己評価を高める」にはどうしたら良いでしょう?

気分障害などこころの病でないとすれば、薬では改善しません。自分自身、周囲の人やものごとに対する捉え方の癖や、信念と呼ばれるルールを少しずつ変えていかなければなりません。

例えば、「自己評価が低い」と「人と比較」したり「人からの評価」が気になったりします。

「周囲の人はうまくやっている。ミスもしない」

本当にそうでしょうか?良く見てください。周りの人も必ず失敗もしますし、行き詰まることもたくさんあります。

「私は誰からも評価されない。褒めてもらえない」

実は、これまで良いことや評価されたことがたくさんあったのに、「こんなの大したことじゃない。たまたまうまくいっただけ、誰でもできるレベル」とせっかくの評価を受け取らずにきたのかも知れません。

とは言え、たやすいことではなく一朝一夕にはいきません。長い目でみていく必要があります。

 

 

先日、患者さんから1つの方法を教わりました。ご許可を頂いたのでその方法をご紹介します。それは、

「誰も見ていない所で、ゴミを拾う」こと。

「誰も見ていない所で、ゴミを拾う」とせっかくの良いことを評価するのは自分しかいないことになります。これを続けることで、人からの評価ではなく自分自身で自分を評価するトレーニングをするというものです。

これまでポイ捨てしてきた自分の良いところや良い評価を、1つ1つ拾いあげていくことのように思います。この方法が、どれ程効果があるのかは分かりません。でも「自己評価が低い」自分に向き合って、自分なりの方法を試しているということ自体が素晴らしいと思います。「自己評価」とは、自分自身への「評価」であって、それが本当の「自分自身」とは限りません。いつか、自分の悪いところだけではなく、良いところをしっかり認められるようになることを願っています。

☆今年もよろしくお願いします☆

4年が過ぎました

2017年12月17日

こんにちは。

寒い日が続いていますね。

この12月で、開院4年目を迎えました。

正月、誕生日、何かの記念日を迎えると、「今日からは」とか「今年こそは」とか少し気持ちが引き締まるものです。

「4年目は…」…まだしっかり考えていませんが、これからも謙虚さを忘れず、皆さまのこころのサポートをしていきたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

☆お願いしま~す☆

「あがり症」克服のために その3 「カフェでメモをする」

2017年11月26日

こんにちは。

今年もあと1ヶ月と少し。早いですね。

さて、みなさんは「人前で字を書く」ことは平気ですか?

銀行、区役所、郵便局など公共の場で申込書等に記入したり、知人の披露宴の受付で記帳したりなど、人前で字を書くことはよくあります。このような場面で、手が震えたり、力が入り過ぎたりして字を書くのが苦手な方がおられます。私も、研修会などに参加した時に、受付で所属先と名前を書くことがあります。ボールペンならともかく使い慣れない筆ペンを渡され、しかも隣に達筆な字で書かれた偉い大学教授の名前があったりすると、多少ヒヤッとします。

これは、「字が下手だと思われたらどうしよう」「ミスしたらどうしよう」など「人から悪く思われたくない」と考えることが原因です。これも、あがり症(社交不安障害)の1つで、「書痙(しょけい)」とも呼ばれています。

以前“「あがり症」克服のために“ に書きましたように、薬物療法と認知行動療法で治療します。あくまで、認知行動療法が中心で薬物療法はその補助的な役割です。目標は、「みんなが注目している、下手だと笑われる」など自動思考の修正と、行動療法(暴露療法)によって「苦手な場面を避けないで、慣れる」ということです。

知人の披露宴は、そんなに頻繁にはありません。慣れるためには、手軽で、頻繁にできるトレーニング方法が適しています。以前「コンビニでおでんを注文する」という方法をご紹介しましたが、私は診察の中で患者さんと、普段の生活スタイルを伺いながら、手軽にできるトレーニングの方法、課題を決めています。ご本人の許可を頂いたので、その1つをご紹介します。

それが「カフェでメモをする」です。

カフェで資格試験の参考書のポイントをノートにメモをする、という方法を実践している方がおられました。スマホで美味しそうなレストランを検索し、メモ帳に店名を控えるでも良いと思います。漢字やカナはハードルが高ければ、最初は電話番号など数字だけ、あるいは一文字だけでも良いでしょう。

それから、時々周囲を見回してみて、誰も自分に注目していないことを確認してください。これは、「みんなが注目しているのでは」という自動思考を修正するためです。

是非、挑戦してみてください。

☆久しぶりのお散歩☆