千代田区 御茶ノ水 神田 小川町の心療内科・精神科 駿河台こころのクリニック ほっと一息

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ほっと一息

駿河台こころのクリニックのブログ

ほっと一息

2015年03月21日

こんにちは。

当院では、待合室でBGMを流しています。
主に、北欧jazzの静かなpiano trioやvocalものです。

これは、できるだけリラックスしていただくためと、診察室の会話が外に聞こえないようにするためです。さらに、診察室は防音室にしているので、静かにお話を伺うことができます。

jazzもいいのですが、やはりrockが聴きたくなります。
クリニックを閉めてから、自宅から持ってきた愛聴盤を聴いてみました。

贅沢なひとときです。

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Pink Floyd、Kiss、Boston、King Crimson、Kestrel・・・

ご存知のアルバムありますか?

何かストレスを感じた時の対処法は、ストレスの原因を解決する、物事のとらえ方や見方を変えてみる、それからストレスの発散をすることです。

原因の解決が難しいとしたら、気分転換の方法を考えてみてください。

同じ場所にいるとなかなか気分転換できないものですが、いつもと違う道を通ってみる、部屋の模様替えをする、照明を変える、座る位置を変える、いつもと違う音楽を聴いてみる・・・ちょっとしたことで気分を切り替えることができるかも知れません。

何度も聴いたレコードなのに、場所を変えただけで、今までにない素晴らしさを味わうことができました。

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☆にんじんといもを狙う☆

信号待ち

2015年03月19日

こんにちは。

当院は本郷通り沿いにあります。少し下ると靖国通りと交差する小川町交差点があります。
この周辺は、大通りと交差する狭い路地がいくつもあり、ほんの数メートルの道幅でも歩行者用の信号機がついています。

先日、この数メートルの横断歩道に差し掛かった時、ちょうど赤信号になろうとしていました。
一人のサラリーマンが横断歩道の向こう側から歩いてきていました。そして、赤信号になったので、横断歩道の前で止まりました。

辺りには私の他に誰もいません。狭い路地なので自動車が通ることも少なく、赤信号を渡ろうと思えば渡れます。ほんの数メートルです。

どうして渡らないのだろうか?
交通ルールだから? 誰かが見ていると思ったから? ちょうど歩き疲れたから? 赤で止まるのは当たり前だから? ・・・

と、いろいろ考えつつ、何故か「すごいなぁ」と感動し、とても良い気分になりました。

そして、信号が青になるのを待っていると、その横を自転車が通り過ぎて行きました。赤信号と私の方を交互にちらちら見ながらでした。

信号待ちをしている私たちのことを、どうして信号待ちしているのかと不思議に思ったのだろうか? それとも、ほんの少し罪悪感を感じていたのだろうか? ・・・

こんな時、みなさんはどうしますか?

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☆着替えてるから見ないで☆

自己流を捨てること

2015年03月14日

こんにちは。

今日も、アルコール依存症について書いてみます。

アルコール依存症の治療は、通院、抗酒剤、自助グループを3本柱として行われます。
自助グループには、断酒会、アルコホーリクス・アノニマス(AA; Alcoholics Anonymous)などがあります。

AAは、飲酒問題の解決を目的として1930年代にアメリカで始まりました。そして、「12のステップ」と呼ばれるプログラムを基本に活動しています。
この12のステップのいくつかをみてみます。

1.私たちはアルコールに対し無力であり、思い通りに生きていけなくなったことを認めた。
2.自分を超えた大きな力が、私たちを健康な心に戻してくれると信じるようになった。
3.私たちの意志と生き方を、自分なりに理解した神の配慮にゆだねる決心をした。

こうしてみていくと、キリスト教的な教えが含まれているのが分かります。
キリスト教の教えとは、我々は罪人であり、全てをイエス・キリストに委ねるというものです。
(信仰の厚い方、間違っていたらお許しください。)
つまり、自分以外のものに委ねるということです。

ところが、日本人にとっては、修業を積み自分の力で苦難を乗り越える、自分で何とかするという考えの方が受け入れられやすいと思います。努力して受験戦争を勝ち抜く、成功を手にする、失敗すればもっと修行を積むということです。そして、人に頼るのは甘えだ、と考えてしまいます。

アルコール依存症の方の考え方も、その傾向があります。
「自分の力で何とかする。酒をやめるかどうかって、結局は自分の意志だろう。今までだって、自分の力でここまでやってきた。仕事も頑張ってきた。人の力は借りないよ。」

患者さんの中には、真面目、頑張り屋、緊張を感じやすいが自分で何とかしてきた、という方は少なくありません。しかも、アルコール依存症、酒がコントロールできないなんて人に知られたくないですから、なおさら自分でどうにかしようと考えます。

AAの12のステップでは、これを戒めています。
自分に従ってきた結果、アルコールがもとで問題を繰り返し、断酒に失敗してきた。自分では、アルコールのコントロールはできない。自分以外の何かに委ねなければならない、ということです。

酒をやめるということは、単に我慢するということではありません。
酒とともに生きてきたそれまでの自分を捨てる、自己流を捨てる、自分ではどうしようもないことを認め、自分を支えようとしてくれる人の意見を受け入れるということです。

今まで、仕事やいろんな辛いことを頑張ってこられたはずですから、自分を捨て白旗をあげるのは悔しいと思います。ですが、酒をやめて、これから待っているだろう楽しくて健康的な生活を送るためには、この決断が不可欠なのです。

医師、あるいは家族にすすめられて、AAや断酒会に参加しても、数回でやめてしまう人がいます。
「参加しろと言われて参加したけどもうやめた。あそこに出ている人は、みんな自分より重症だ。自分は、酒で入院したことはないし軽い方だ。失敗談ばかり話して何になる。」と言います。

数回でも、今まで参加したことのない、参加しようとも思わなかった会合に参加されたことは素晴らしいと思います。ですが、そのような会合や、周囲への不満が出てきたということは、酒のない生活に少しずつ飽きてきている、過去の自己流に戻る危険性が高まっているサインです。

酒にまみれて失われた「自分らしさ」を取り戻すために、是非「自己流を捨てる」決断をしてください。

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☆やっぱバスケにしようかな・・・☆