千代田区 御茶ノ水 神田 小川町の心療内科・精神科 駿河台こころのクリニック 「あがり症」克服のために その3 「カフェでメモをする」

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「あがり症」克服のために その3 「カフェでメモをする」

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「あがり症」克服のために その3 「カフェでメモをする」

2017年11月26日

こんにちは。

今年もあと1ヶ月と少し。早いですね。

さて、みなさんは「人前で字を書く」ことは平気ですか?

銀行、区役所、郵便局など公共の場で申込書等に記入したり、知人の披露宴の受付で記帳したりなど、人前で字を書くことはよくあります。このような場面で、手が震えたり、力が入り過ぎたりして字を書くのが苦手な方がおられます。私も、研修会などに参加した時に、受付で所属先と名前を書くことがあります。ボールペンならともかく使い慣れない筆ペンを渡され、しかも隣に達筆な字で書かれた偉い大学教授の名前があったりすると、多少ヒヤッとします。

これは、「字が下手だと思われたらどうしよう」「ミスしたらどうしよう」など「人から悪く思われたくない」と考えることが原因です。これも、あがり症(社交不安障害)の1つで、「書痙(しょけい)」とも呼ばれています。

以前“「あがり症」克服のために“ に書きましたように、薬物療法と認知行動療法で治療します。あくまで、認知行動療法が中心で薬物療法はその補助的な役割です。目標は、「みんなが注目している、下手だと笑われる」など自動思考の修正と、行動療法(暴露療法)によって「苦手な場面を避けないで、慣れる」ということです。

知人の披露宴は、そんなに頻繁にはありません。慣れるためには、手軽で、頻繁にできるトレーニング方法が適しています。以前「コンビニでおでんを注文する」という方法をご紹介しましたが、私は診察の中で患者さんと、普段の生活スタイルを伺いながら、手軽にできるトレーニングの方法、課題を決めています。ご本人の許可を頂いたので、その1つをご紹介します。

それが「カフェでメモをする」です。

カフェで資格試験の参考書のポイントをノートにメモをする、という方法を実践している方がおられました。スマホで美味しそうなレストランを検索し、メモ帳に店名を控えるでも良いと思います。漢字やカナはハードルが高ければ、最初は電話番号など数字だけ、あるいは一文字だけでも良いでしょう。

それから、時々周囲を見回してみて、誰も自分に注目していないことを確認してください。これは、「みんなが注目しているのでは」という自動思考を修正するためです。

是非、挑戦してみてください。

☆久しぶりのお散歩☆

こんなことで受診してよいのだろうか・・・

2017年10月27日

こんにちは。

初診の方で予約の電話をされた時や診察が始まった時、開口一番「こんなことくらいで受診してよいのかどうかわからないのですが・・・」と言われる方が時々おられます。

「自分の抱えている問題や悩みは、大したことではないかも知れない。こんなことくらいで病院を受診するのは大げさじゃないか。周りのみんなは頑張っている、自分で解決すべき問題ではないか。先生に失礼かもしれない。怒られるかもしれない」と考えておられるのだと思います。

このように考える方は、元来生真面目で、何か問題が生じた時に自分のせいにしたり、自分で抱え込もうとするところがあるように思います。そして、「病院を受診するからには、それなりの重い症状がなければいけない」という考える、つまり「患者らしくする」あるいは「患者役に徹する」必要があると思っているのかも知れません。

ところが、実際に診察室でお話を伺うと、「こんなこと」どころか問題はかなり大きかったり、うつ病であったりすることが多いです。また、たとえ客観的にみて解決が容易だと思われる悩みごとでも、まだ解決に至っていないご本人にとっては大きな悩みごとです。

話してみることで、頭の中が整理され解決のヒントに気づいて、1回の受診だけで薬も使うことなく終診となる方もたくさんおられます。

「こんなことくらいで」と思わず、悩みごとがあれば遠慮なくご相談ください。

⭐おやつがもらえるまで諦めない⭐

ネガティブ思考、マイナス思考を変える

2017年10月23日

こんにちは。

『職場の上司が咳をしただけで「自分のことを怒っているのではないか」と思ってしまう』

『友人と遊びに行った後「楽しかったね」と言ってくれたけど、私に気をつかって言っただけかも知れない』

このように、「なんでもネガティブに考えてしまう」という方はたくさんおられます。よくネガティブ思考やマイナス思考などと言われますが、いわゆる「自動思考」のことです。

できごと ⇒自動思考

「上司が咳をした」⇒「自分のことを怒っているのではないか」

「友人が楽しかったねと言った」⇒「本当は楽しくなかったのではないか」

自動思考には、長年の経験や信念などが関係しており偏り(パターン)があります。まずは自動思考に気づくことが大切ですが、その後の修正には少し時間がかかります。

「自分のことを怒っているのではないか」⇒「問題があれば注意されるはずだが、何も言われないので大丈夫だろう」

「本当は楽しくなかったのではないか」⇒「彼は正直者だから、言葉通りに受け取ろう」

これは修正の一例ですが、頭の中だけで修正を試みるより、ノートを作って書いた方が良いです。書き出してみると、いかに自分が同じような思考パターンに陥っているかが良く分かります。また頭の中だけでは、良い考えが浮かんでも定着する前に消えてなくなってしまいます。また、その修正が適切なものか、他に良い方法はないかについてアドバイスをもらうのが良いと思います。

当院では、ノートをみながら自動思考の修正について一緒に考えるようにしています。なかには、表にマイナス思考、裏に修正した思考を書いた単語帳を作っている方もおられます。良いアイデアだと思います。

「マイナス思考」に挑戦してみてください。