千代田区 御茶ノ水 神田 小川町の心療内科・精神科 駿河台こころのクリニック ADHDについて

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ADHDについて

駿河台こころのクリニックのブログ

ADHDについて

2017年01月11日

こんにちは。

ADHDという言葉を聞いたことはありますか?

近年、マスコミなどでも時々取り上げられるようになってきましたが、ADHDとは「注意欠陥多動性障害」のことです。必ず全ての症状が揃うわけではありませんが、以下のような症状がみられます。

・落ち着きがなく、じっと椅子に座っているのが苦手。

・相手の話を聞かないで、一方的にしゃべることが多い。

・遅刻することが多い。

・整理整頓が苦手。

・置き場所を忘れて探すのに苦労することが多い。

・不注意な間違いが多い。

・忘れ物が多い。

・複数のことを同時に行うのが苦手。

このようなことが繰り返されるため、学校や職場で孤立したり、うつっぽくなったり、アルコールや薬物依存になることがあります。

それから、上記のような症状があっても、うつ病のために集中力が落ちてミスが多い、社交不安障害(あがり症)のために人前で緊張してそわそわしてしまう、強迫性障害であるものへのこだわりが強く片づけができない、認知症によって物忘れが多いということもあるので、専門家による診断が必要です。

以下は、ADHD診断の参考にしているチェックリストです。

1。ものごとを行うにあたって、難所は乗り越えたのに、詰めが甘くて仕上げるのが困難なことが多かった。

2。計画性を要する作業を行う際に、作業を順序立てるのが困難なことが多かった。

3。約束や、しなければならない用事をわすれることが多かった。

4。じっくりと考える必要のある課題に取り掛かるのを避けたり、遅らせたりすることが多かった。

5。長時間座っていなければならない時に、手足をそわそわと動かしたり、もぞもぞしたりすることが多かった。

6。まるで何かに駆り立てられるかのように過度に活動的になったり、何かせずにいられなくなることが多かった。

(ASRS-v1.1を一部改変)

上記リストの症状が、「時々」「頻繁」「非常に頻繁」にみられる場合は、ADHDの可能性があります。

最近、ADHDの研究が進み、治療薬がいくつか開発され、症状の改善が期待できるようになりました。

自分ではちゃんとしているつもりなのに、ミスが多くて人から良く注意される、遅れるわけにはいかない重要な会議と分かっているのに遅刻してしまう・・・

単なる不注意や、努力不足ではなく、こころの病である可能性があります。

遠慮なくご相談ください。

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☆おねだり上手☆

初心に帰る

2017年01月05日

新年あけましておめでとうございます。

ここ数年、毎年初詣は神田明神に行っています。

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今年は、例年より早めに出かけたにもかかわらず、この通り長蛇の列。警察官が入場整理をしていて、ここまでたどり着くのに1時間近くかかりました。

当院は、昨日から診療開始していますが、昨日も今日も朝クリニック周辺の道を同じ方向に向かって歩くサラリーマンの集団をたくさん見かけました。この周辺の会社は、部署ごとにまとまって神田明神に初詣に行っているようです。

 

新年になると気持ちが改まるものです。

1か月前の話ですが、12月5日で開院から2年を迎えました。

「初心に戻って」とよく言われますが、研修医時代を振り返って当時の恩師、先輩方から教わったことの中で、印象に残っている言葉があります。その1つが、「患者さんから学べ」という言葉です。

当時の私は、眠れない、食事がとれない、何もする気になれない、など症状を詳しく聞き出すことだけが診察だと思っていました。また、若い医師は生物学的、薬理学的なアプローチ、つまり薬物治療に強い関心を示す傾向があるように、かつて私もそうだったように思います。

いくら難しい専門書を読みあさったとしても、それは平均的なケースに関する知識に過ぎません。知識や医学的な根拠は重要ですが、こころの問題はそれだけでは解決されません。その方のこれまでの人生、今置かれている環境、考え方の癖などさまざまなことが関係しています。教科書にそのようなことは書かれているはずもありません。また、薬物治療は大切な治療法の1つですが、それだけで人間関係の問題などが全て消えてなくなる訳ではありません。

患者さんから「良くなりました」と言われる感謝されることもありましたが、反対に厳しい言葉をもらうこともありました。まだ20代の私に、「先生はまだ若いから分からないだろうが、歳をとるとね・・・」と老いることによる孤独感、身体機能の衰えの辛さ、大切な方との死別体験などを語る方もおられました。

・・・あれから25年経ちました。

診察するということは、症状としてとらえるだけでなく、その人を知り、診ることができなければならないということだと分かってきました。

今、あの時の患者さんにお会いしたら何と言われるだろうか。おそらく、こう言われるだろう。

「先生はまだ若いから分からないだろうが、歳をとるとね・・・」

 

今年もよろしくお願いいたします。

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☆よろしくお願いします☆