千代田区 御茶ノ水 神田 小川町の心療内科・精神科 駿河台こころのクリニック 「お休みしましょう」~うつ病のケース~ その2

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「お休みしましょう」~うつ病のケース~ その2

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「お休みしましょう」~うつ病のケース~ その2

2018年03月05日

前回の続きです。

治療方針:休養、薬物治療。

うつ病であることを説明し、治療方針を伝えます。重症度に応じて時短勤務や休職をすすめることもあります。このケースの場合だと、休職をすすめると思います。しかし、実際には休職をすすめてもそれを拒む方がかなりおられます。職場や家庭の事情もあると思いますが、上司やご家族が心配し理解もあるような方でも「みんな頑張っているのに、自分だけサボることはできない」と頑張り続けようとします。

うつ病にもいろいろなタイプがありますが、このケースの性格はうつ病に多い性格傾向です。責任感が強く、ミスをしないようにと常に慎重に行動するため、普段からストレスを抱えやすい状態になっています。従って、他の人と同じ仕事量であっても、それをこなすのに人の何倍も神経をすり減らしています。

また、「⚪⚪は~あるべき」という信念が強すぎると、何か問題が発生した時に、他者あるいは自分に対して攻撃的になりやすいところがあります。他者にエネルギーが向かうと、イライラや怒りが強まり、暴言、暴力などの破壊行為がでることもあります。一方、自分自身にエネルギーが向かうと、自分へのイライラ、自身喪失、自責感、罪悪感が現れやすくなります。

では、うつ病になるとどうなるでしょう。うつ病になると、自分自身を攻撃する方向に向かう方がほとんどです。そして、何かミスをしたり、誰かに迷惑をかけたりした訳でもないのに、「自分の努力不足だ。迷惑をかけてしまった。申し訳ない」など自分を強く責めてしまいます。さらに、焦る気持ちは強いものの、集中力や注意力が低下しているため、普段よりミスを連発し、頑張れば頑張る程成果があがらないという悪循環に陥ります。

真面目な方だからこそ、休養することに抵抗があるということを理解しつつ、休養をすすめていきます。

「いや、自分だけ休む訳にはいかない」

このような時に、私はいつもこうお話ししています。

「では、同じ職場に同じ症状の方がいたとしたらどうしますか。休まず働き続けなさいって言いますか?」

「もし申し訳ないと思っていたら、元気になってから恩返ししましょう」

最初は、家にいても落ち着かないと思いますが、少しずつ慣れてきます。「働く」「頑張る」ことだけでなく「休む」ことにも慣れるようにしてください。

☆退屈だなぁ☆