千代田区 御茶ノ水 神田 小川町の心療内科・精神科 駿河台こころのクリニック 「考えないようにする」ということ

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「考えないようにする」ということ

駿河台こころのクリニックのブログ

「考えないようにする」ということ

2015年08月06日

こんにちは。

「心配ごとがあるけれど、あまり考えないようにしている」

よく耳にする言葉で、私自身もよくそうしようとしてきました。

しかし、そう決心したからといって、果たして「考えない」ようにできるでしょうか?
記憶喪失にでもならない限り、直近の心配ごとを考えないではいられないでしょう。

認知行動療法を紹介したときにも触れましたが、認知とは物ごとに対する考え方、捉え方のことで、認知を修正していこうとするのがこの治療の目的です。つまり、あるできごとに対する別の見方をしようとすることです。これは、いろいろなこころの病の治療や、怒りのコントロールに用いられます。

先日、気になることが起こりました。

最初は、その原因を解決するように関係者に働きかけをしていましたが、良い結果が得られませんでした。

次に、「気にしないように」という試みをしました。しかし、うまくいく日とそうでない日がありました。

今度は、「気にしないように」をやめて、必死になってそのことに対する別の見方を数日間考え続けました。その結果、ついにとても納得のいく別の見方にたどりつきました。

その後は、全くそのことが気にならなくなりました。認知の修正成功です。

「考えないようにする」のではなく、別の見方はないかとさぐってみてはどうでしょうか。。。

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☆目で訴える☆

ひらがな

2015年08月04日

こんにちは。

暑い日が続いています。

クリニックの待合室に直射日光が入るので、遮光・遮熱カーテンを取り付けました。
これだけで、ずいぶん室温が下がり、快適になりました。

ところで、他院宛に紹介状を書くときに、「○○先生 御侍史」とか「○○先生 御机下」と書くのが一般的です。
ほとんどのパソコンは、「ごじし」と入力し漢字変換すると、「御侍史」がトップに出てきます。

どちらが、正しいあるいは丁寧なのか分かりませんが、私はいつも「御」をひらがなに直して、「ご侍史」にして書くようにしています。

大学病院時代の私の恩師である教授は、たいへん美しい日本語を書く方でした。
論文を書いて教授のところに持っていくと、「論文は芸術作品と同じだ。もっと丁寧に書かなければだめだ」と、細かいところまで添削していただきました。

そして、添削していただいた論文を見て感じたのは、漢字がひらがなに直されているところが多いということです。
例えば、「~の時」が「~のとき」、「~な所」が「~なところ」のようにほんのわずかな部分です。

おそらく、どちらでも良いのだと思います。
しかし、文章全体を見たとき、やわらかく流れるような感じに変わっていました。

今の時代、漢字など覚えておかなくても、パソコンで漢字変換すれば、「薔薇」だろうが「鬱病」だろうが難しい漢字を使った文章をいくらでも作ることができます。
同じ内容のことを伝えるのも、優しい口調と強い口調では聞いたときの印象は全く異なります。
それと同じように、漢字とひらがなでは与える印象が違うように思います。

言葉を使った仕事をしていますので、できるだけ言葉を大切にしていきたいと思っています。

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☆新しいおもちゃ☆